FDG-PET/CTは悪性腫瘍、炎症性疾患を評価できるため、治療効果判定や予後評価に関する研究が行われております。

医療関係のみなさまへ

治験・臨床研究

臨床研究

FDG-PET/CTは様々な悪性腫瘍、炎症性疾患の活動性や広がりを評価できるため、当センターでは治療効果判定や予後評価に関する研究が数多く行われています。

悪性腫瘍に関する研究の例
  • 小児悪性リンパ腫に対する初期治療反応性判定を用いた治療効果をFDG-PET/CTを用いて確認する研究
  • 去勢抵抗性前立腺癌の骨転移に対するRa-223療法でのFDG-PET/CT検査の治療効果判定能を評価する研究
心臓サルコイドーシスに関する研究の例
  • 24 時間糖質制限食を用いたFDGの心筋生理的集積抑制法の研究
  • 2015 年/2016年改訂診断基準に準拠して診断した心臓サルコイドーシス患者における予後追跡調査に関する研究(J-CASP study)

保険診療下にて使用可能なPET検査の種類は限定的ですが、研究では様々なPET製剤が存在しています。泌尿器科領域における悪性腫瘍PET検査においては、FDGでは腫瘍集積の洗い出しが早く、尿路への生理的排泄により腫瘍検出が偽陰性になり得るという問題があります。これに対し尿路への生理的集積が少なく相対的に腫瘍活性を可視化しやすいアミノ酸製剤(11C-methionineやanti-18F-FACBCなど)、細胞表面抗原をターゲットとしたprostate specifi c membrane antigen(PSMA)製剤が使用されるようになってきました。この様に、FDG以外のPET製剤の臨床応用や新しい撮影法などによる悪性腫瘍の検出率や活動性評価に関する研究が盛んになってきています。

PETを活用した治験等臨床開発(PET診断薬を開発する治験、PET診断薬の合成装置を医療機器として開発する治験、治療薬の開発において未承認PET診断薬を用いる治験など)の協力依頼も多くあります。

PET検査で使用する放射性医薬品は半減期(寿命)が短いものが多く、センター内のサイクロトロンという装置で検査当日に合成しています。当センターのホットラボは、放射性医薬品の合成技術が非常に高く治験業界からの信頼が厚いため、他施設と比べて多くの治験依頼があります。

例えば精神神経科領域ではアルツハイマー型認知症の患者の脳に沈着する「アミロイド蛋白」や「タウ蛋白」を画像化するPET製剤を合成する方法を確立していますので、それを用いた画像診断を可能としています。当該疾患の鑑別診断、早期診断に有効とされており、現在各薬品メーカーで行われている同疾患の治療薬開発事業のための治験における治療効果判定としてのPET検査も受託しています。

PETを使用した治験依頼につきましては遠慮なくお問い合わせください。